自分の銀行口座に’Bill Pay’(料金支払い)を指定すると、公共料金などが自動的に支払われる。銀行はそのために、‘銀行間送金’という便利な機能を利用している(それは’Automated Clearing House’(自動化手形交換所)とも呼ばれる)。自動支払いにすると、毎月小切手を書いたり、銀行のオンラインフォームに記入したりという手間が省ける。手数料がクレジットカードより安いので、業者側にも便利だ。
クレジットカードをバイパスする銀行自動引き落とし支払いを中小企業にも可能にするGoCardless
でもこの料金支払い方式は、電力会社など大企業からの請求に限られる。小企業がこの自動送金をめったに使わないのは、手続きが面倒で費用もかかるからだ。すくなくとも、これまでは。Y Combinatorが支援するGoCardlessは、今日ロンチするイギリスのサービスで、小企業でも簡単に、顧客のために銀行間送金をセットアップできる。
Y Combinatorの2011年夏学期の卒業生であるGoCardlessは、2010年にオックスフォード大学の卒業生、Hiroki Takeuchi、Tom Blomfield、Matt Robinsonが創業した。同社はAccel Partners、Passion Capital、SV Angel、Start Fund、およびY Combinatorから$1.5M(150万ドル)の資金を調達している。その資金は、チームの増強と製品開発、およびユーザ(商業者)の拡大努力に充てられる。
このサービスが提供するREST APIにより、小企業や商店は自己サイトに、一度かぎりまたは繰り返し行われる支払いのための、自動化送金を容易に統合できる。クレジットカードのネットワークを使用しないことにより、従来のネットワークベースの支払い方式に比べて、費用を1/3から1/4程度まで節減できる。料金は送金額の1%だが、どれだけ大きな額でも2?を超えることはない。
同社によると、銀行間送金はイギリスやヨーロッパで、主にガス、電話といった大企業からの請求に対する支払いに利用されている。しかし、各社それぞれの支払いアプリケーションをコンサルタントが独自開発し、その利用を各銀行と個々に交渉しなければならない。それは、小企業にはほとんど不可能な方式だ。
GoCardlessは昨年丸一年を、銀行との交渉、各銀行からの同社サービスの承認の取得に費やしてきた。料金が安いこと以外に銀行間送金の利点は、クレジットカードのように‘期限’を気にしなくてよいことだ。クレジットカードによる会費や月額料金などの支払い方式には、カードの期限切れという問題がつきまとう。それにまた銀行間送金では、クレジットカードの場合のように?PCIコンプライアンスを気にする必要がない。
消費者も、GoCardlessにより支払いが迅速かつ容易になる。 GoCardlessを統合しているサイトなら、会員登録時のワンクリックで、その支払い方式を指定できる。また各ユーザにはダッシュボードが提供されるので、自分の銀行口座の上で生ずる支払いをつねにチェックし、管理できる。
製品はベータの立ち上げが2011年のおそくからで、すでに300あまりの商業者や小企業がこのサービス(API)を統合しており、ユーザ企業は今でも急速に増加している。イギリスでは、GoCardlessを自己サイトに統合したい1000社/店あまりが、順番を待つ行列に並んでいる。たとえば中小企業向けの会計サービスKashflowは、GoCardlessを統合したことにより顧客からの集金が確実かつ簡単になった。また、コンテンツに課金しているSaaS数社も、利用している。
合衆国では、?Dwollaが同様のサービスを提供して、商業者のへの支払いを消費者が簡単に行えるようにしている。大西洋のこっち側のGoCardlessがやや有利なのは、銀行間送金がイギリスなどでは公共料金支払いなどのために、古くから普及していること、知らない人が少ないことだ。
(翻訳:iwatani)
(この記事はテクノロジー総合(TechCrunch Japan)から引用させて頂きました)
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