イオン、西日本電信電話(NTT西日本)、シャープは2月22日、“家庭で簡単に利用できる”をテーマにした暮らしサポートサービス「A touch Ru*Run(エータッチ ル*ルン)」を発表。2012年3月12日に開始する。
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同サービスは2011年2月に発表した協業プロジェクトの成果として、正式サービスに仕上がった。IT技術+IT機器と家族を自然に融合させるには何が必要か。それは「主婦と子ども」が使えなければ、積極的に使いたいと思うサービスでなければ成立しない──。女性マーケティング・企画事業を行うハーストーリィプラスの協力を得ながら、家族全員、特に主婦が中心に使ってもらえるよう工夫した。
3社の役割は明確だが、それぞれが持つ強みを「生活と家族、主婦」をテーマに融合したイメージで協業する。イオンは街のイオン店舗・ネットスーパー事業を主軸に、店舗網・顧客基盤、WAON・イオンカードなどの決済ポイントサービスなどを、NTT西日本は強力な光ブロードバンドインフラ、クラウドサービス、ユーザーサポート基盤を、シャープは家電(AQUOS)やスマートデバイス、メディア配信基盤や電子書籍サービスをサービスに取り入れる。
グラフ「サービス概要と各社の役割」、ほか:(http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1202/23/news018.html)
端末はシャープ開発のAndroidタブレットを採用する。7型サイズの「RW-N107」と10.1型サイズの「RW-N110」を用意し、こちらをイオン店舗あるいはイオン直販サイト「aeonshop.com」で販売。それぞれが提供する主力コンテンツの利用料金、あるいは通販購入代金はそれぞれの社のサービスにおいて支払うイメージだ。NTT西日本提供のくらしフルサービス利用料は315円/月あるいは3465円/年。イオンネットスーパーおよびGALAPAGOS STORE(電子書籍ストアサービス)の会員登録料は無料だ。
サービスの窓口となるタブレットには、家族コミュニケーションツール「くらしフルサービス」(NTT西)、ネットショッピングツール「イオンネットスーパー」(イオン)、電子コンテンツストア「GALAPAGOS STORE(GALAPAGOS App)」をプリインストールし、ホームキーを押すごとにサービスアプリケーションを切り替えて利用できるようにした。IT機器にいくらか詳しいお父さん向けにAndroid標準のホーム画面にも切り替えられ、AndroidマーケットやWebサイト表示、アプリケーションインストールなど、“普通のAndroidタブレット”としても使えるようになっている。
●NECチップ内蔵で、その場で電子マネー決済も
また、端末にFeliCa対応のNFCチップを内蔵し、イオン展開の電子マネーサービス「WAON」などを用いた電子決済も2012年度上期に実現する予定。タブレットにWAONカードやおサイフケータイをかざすだけで購入・決済可能となれば、既存のネット通販におけるクレジットカード決済方法より分かりやすく、安心して使えることだろう。
IT機器やサービスで「女性心」をつかむのは非常に難しい。「何もないところから“家族に何があればうれしいか”を改めて考えて企画した。商品・製品をどう使いこなすかではなく、“今の生活を軸にしつつ、自然にこうなればいいよね”の視点で、子育て世代の主婦の方を対象にUIのデザインや機能、アプリやサポートサービスの使い勝手についてアンケートや座談会を行い、ユーザーの生の声をUIに幅広く反映した。IT機器は女性には難しいとされるが、例えば子どもと一緒に使えるものであれば、自然に覚えられる。そんなイメージで自然に楽しく、便利に使っていただけるサービスに仕上がったと思う」(ハーストリィプラス 代表取締役の佐藤緑氏)
端末の基本価格は7型モデルが3万9800円、10.1型モデルが4万9800円(2012年4月発売予定)。購入者にイオンネットスーパーのポイントを数千~1万ポイントほど付与する特典も用意する予定とする。
提供エリアはまずは関東・広島エリアから。その後、全国のイオンネットスーパー(2012年2月現在192店舗で対応)対応店舗があるエリアを中心に順次拡充する計画という。
「家族だんらんの真ん中にタブレット」──。スマートフォンに対し、“何に使うのか分からない”と一般層には普及がそれほど進んではいないタブレットだが、何も先進的っぽい使い方を無理して見つけることもない。……例えば「ネットスーパーのラクラク注文用機械」として導入するのでもよいわけだ。
導入における障害は、専用機器となるタブレットがインターネットに接続されていることが条件になることか。自宅においては固定インターネット回線(モバイルインターネット回線でもよいが)とルータ設定、そして無線LAN接続が必要だが、そこはIT機器に詳しいお父さんの出番だ(それも家族コミュニケーションの1つといえないこともない)。じきにWAONでの電子決済ができるようになる予定だが、決済先がそれぞれ分かれており、複数あるのも少し分かりにくく不安という声が上がるかもしれない。
ともあれ、お父さんの意向はともかく、家庭のおサイフを握る「お母さん」の主婦ニーズにどれだけ響くサービスを提供し、訴求できるかがキモだ。週末にイオンモールなどに集うファミリー層を取り込める可能性を想像すると、意外にどうなるかなと期待してしまうサービスではないだろうか。
[岩城俊介,ITmedia]
(この記事はテクノロジー総合(+D PC USER)から引用させて頂きました)
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