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2012-02-16(Thu)

(朝鮮日報日本語版) 韓国の不十分な精神疾患対策

 韓国でのうつ病患者や自殺者の急増について、専門家たちは「社会の急激な変化が背景にある」との見方を示している。



 独立後の短い期間に、工業化と民主化を同時に達成する過程で発生した貧富の格差や、競争の激化などが、多くの国民にうつ病などの精神疾患をもたらしたというわけだ。とりわけ、この十数年間には、アジア通貨危機やクレジットカードをめぐる混乱、米国発の金融危機など、社会に衝撃を与える大事件が相次ぎ、失業者や未就業者など、社会から疎外された人たちや貧困層が急激に増え、こうした人たちの中に精神疾患を抱える人たちが大幅に増えた。また、世界で最も激しいといわれる大学入試に伴うストレスも、若者のうつ病患者を増やした。だが、韓国国民の間で広範囲にわたって増加するうつ病への対策は不十分な状況だ。



 保健福祉部(省に相当)が昨年実施した、精神疾患に関する実態調査の報告書によると、うつ病や不安障害などの精神疾患の患者で、精神科医などの専門家に相談したり、医療機関で治療を受けたりした人は、7人中1人(15.3%)にとどまったことが分かった。これは、同じ方法で調査した、米国で2010年に精神医療サービスを利用した人の割合(39.2%)と比べ、半分にも満たない数値だ。韓国の精神疾患の患者の多くは、一人で悩んだ末、自殺を図るなど極端な行動に出たり、症状を悪化させたりしている。



 精神医学の専門家たちは、このような状況に至った原因として、精神疾患に対する「レッテル貼り」を挙げている。韓国社会の一部ではいまだに、精神疾患を抱えていることを公表すると「狂ったやつ」「精神異常者」と見なす風潮がある。精神疾患の患者たちは保険に加入することも困難だ。このため、大部分の患者たちは、医療機関を受診するのをためらったり、まるで犯罪者のようにこそこそと過ごしたりしているのが実情だ。



 精神疾患の患者による犯罪率が高いという認識も、このような偏見を助長している。だが、2000年に大検察庁(日本の最高検察庁に相当)が発表した「犯罪白書」によると、一般人の交通犯罪を除いた犯罪率は2.5%、精神疾患の患者は同じく1.8%だった。ソウル峨山病院精神健康医学科のホン・ジンピョ教授は「精神疾患に対する誤った偏見は、患者たちが十分な精神医療サービスを受け、早期の回復を目指すのを阻害する最大の要因だ」と指摘した。



 精神疾患の患者たちは、治療をきちんと受ける限り、正常な生活が可能だ。高麗大付属病院精神健康医学科のハム・ビョンジュ教授は「精神疾患の治療薬を服用することに対する、周囲の人たちの偏見や理解不足のため、(患者たちが)薬の服用をためらったり、中止したりするケースが非常に多く『精神疾患は治りにくい』という誤解を招いている」と語った。



 建国大付属病院のハ・ジヒョン教授は「精神疾患は今や、高血圧や糖尿病と同じように、誰でもかかる可能性がある病気だという認識を持つ必要がある。精神疾患から目を背け、社会から隔離しようとすることで、精神疾患をさらに悪化させる結果をもたらしている」と指摘した。





(この記事は韓国(朝鮮日報日本語版)から引用させて頂きました)



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