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　ソウル市永登浦区堂山洞の大通り沿いには「キスルーム」「ストーリールーム」などと書かれた派手な看板が目につく。周辺の路上には類似の性売買（変則的な売買春、プレイ）を宣伝する名刺サイズのビラが散らばっていた。



　記者は先月21日夜、数日前にオープンした「ストーリールーム」という看板を掲げた3階建ての店のチャイムを押した。インターネットでは「ソウルのキスルームでは10本の指に入る名物店」などと評判の店だ。おそらく中から監視カメラでチェックしている様子だったが、しばらくして鉄のドアが開いた。店内に入ると、店員から「サービスの内容は以前と同じ。ネットで事前に予約を受け付けているので、次からは飛び込みで来るな」と告げられた。



　2004年9月に性売買防止特別法が施行されたが、性売買業者は今も「進化」を続けながら法の網をかいくぐって営業している。特別法の施行で「清涼里588」「弥阿里テキサス」など以前からよく知られる売春街は姿を消そうとしているが、一方でソウルなど大都市の各地では変則的かつ新種の店が続々とオープンしている。



　売春が表立ってできなくなった直後には、事実上の性売買あっせん業である「マッサージパーラー」が登場した。しかし、2008年に警察による大規模な取り締まりが行われたため、これも勢いを失っている。



　最近の業者は以前にも増して地下に潜り、知能化している。「オフィステル（住居兼事務室）性売買」や、女性がさまざまな類似性行為を行う店も登場した。考試（高級公務員試験）に向けて勉強する受験生が集まるソウル市新林洞にも、この種の店が続々とオープンしている。



　「フィギュアルーム」という新種の店も登場した。人間と同じサイズの女性の人形を相手に好みのプレイができる店だ。これらの店は若い女性がハグしてくれる「ハグルーム」や、キスをしてくれる「キスルーム」など、サービス業として事業登録を行い、警察の取り締まりから逃れる類似性売買の営業を行っている。



　「フェチルーム」「ストーリールーム」「ガラスルーム」など、名前を聞いただけでは何をする店か分からないような店がソウル市内の各地で次々とオープンし、営業を行っている。業界関係者は「取り締まりから逃れるために店の看板を変えているだけで、中では客が希望するサービスを行う。その点ではどれも同じだ」と語る。

　しかし取り締まりは簡単ではない。この種の「ルーム」はどれもサービス業に分類されているため、性行為が行われているという明確な証拠がなければ処罰は難しい。警察の関係者は「警察が奇襲すると、コンドームを飲み込んでしまうケースもある。明らかな証拠がないため処罰が難しいケースも多い」と語る。このような法律の抜け穴を補うため、先月2日には「風俗営業の規制に関する法律施行令」の改正案が施行されたが、それでも取り締まりの死角は放置されたままだ。



　この改正案によると、類似性行為の疑いがあると判断されただけで、取り締まりや処罰の対象になる。摘発された場合、店主には3年以下の懲役あるいは3000万ウォン（約210万円）以下の罰金が科される。店の強制閉鎖や業種の変更を命じることも可能だ。



　しかし警察は、規制が施行されてから3週間が過ぎた今も、取り締まりには乗り出していない。ある警察関係者は、風俗営業改正案が発効されたことさえ知らなかった。ソウル江西警察署の関係者は「2月1日に性売買風俗関連の指針が下されたが、新しい法令が発効したという話はまだ聞いていない」と話した。



　最近は校内暴力が深刻な社会問題となっており、その対応に当たるため警察の女性青少年課や生活秩序係などの職員が駆り出され、人手が不足しているという。別の警察関係者は「校内暴力が深刻な社会問題となっているため、性売買に関しては全く手が付けられない状況だ。さらに国会議員選挙が近づいていることもあり、性売買に対する捜査まで行う余力などない」と語った。



　女性家族部（省に相当）の関係者は「まずは取り締まりの根拠となる法改正が行われたため、次は実効性のある取り締まりや、この種の業者による営業情報を紹介するウェブサイトなどへの対策に乗り出す必要がある」と話した。





(この記事は韓国（朝鮮日報日本語版）から引用させて頂きました)

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