【なぜ解きコリア】
【質問】韓国ではコンビニやコーヒーショップでの支払いにもクレジットカードが使われるなどその利用率が高い上、住宅ローンなどを抱えている人も多く、個人負債額が多くなっていると聞きました。
【解答】確かに韓国銀行が昨年11月に発表した第3四半期の個人向け融資と販売信用(クレジットカードなどによる販売)を合わせた個人負債は892兆4571億ウォン(約65兆円)で過去最高となりました。個人負債は2010年第2四半期に800兆ウォンを初めて超えてから最高値の更新が続いている状態です。このペースだと来年の後半には、個人負債総額が1000兆ウォンの大台に達するという見通しもあります。
韓国のシンクタンクによれば、韓国の個人負債はその経済規模に比べて多く、増加する速度も早く、政府や金融機関は早急に手を打つべきだとしています。
これは韓国銀行が発表した少し古い数字ですが、韓国の1人当たりの個人負債(2009年)は1754万ウォン(約128万円)で、その年の1人当たりの国民総所得(2千192万ウォン)の80%に達したことになるそうです。
一方、韓国の与信金融協会によると、経済活動を行っている韓国民1人が所有しているクレジットカードは昨年3月の段階で4・8枚に上ることも分かりました。
この数字は、韓国でクレジットカードが次々と発行され、自己破産者が続出するなど社会問題化した2002年の1人当たりのカード数が4・6枚だったのと比べても、それよりも多くなっていて懸念する声も出ています。
これはクレジットカード会社間の競争が激化し、各会社がクレジットカードの新規顧客の獲得にしのぎを削っていることが考えられます。
これは以前、何人かの韓国人の知人から聞いた話ですが、韓国人は何よりも体面を気にする国民性から、たとえば車を買うにしても借金をして多少を無理をしてでもより見栄えの良い車を買う傾向があるそうです。韓国で軽自動車などコンパクトカーがまったく人気がないのも同じような理由からだそうです。つまり韓国人は分相応の買い物をするのが苦手というわけです。こうして見えを張って買い物や消費を続けた結果、借金がかさむケースも多々あるそうです。
「もったいない」という節約の観念が幼少の頃から染みついている日本人は、その所得や年収に関係なく経済的で燃費が良い軽自動車を選ぶ人も多いです。こうした日韓の国民性の違いが経済活動にも現れ、個人的にはひじょうに興味深くみています。(韓Fun記者、元ソウル特派員 水沼啓子)
(この記事は海外総合(産経新聞)から引用させて頂きました)
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