IT専門リサーチ企業Gartnerが3月8日に発表した世界PC市場予測によると、世界のPC出荷台数はやや増加しているものの、2012年も依然として不振状態が続くだろうと予測した。
同社の発表によれば、今年(2012年)の世界PC出荷台数は前年比4.4%増の3億6,800万台に達する見込みだ。そして2013年はさらなる成長が期待でき、出荷台数も4億台を超えると予測されている。
同社のリサーチ・ディレクターであるランジット・アトワル(Ranjit Atwal)氏は発表の中で、「PC市場が、消費者が購入するデバイスに求める新次元のイノベーションを実現することで巻き返しを図るなか、2012年にのPC出荷は相変わらず軟調のまま推移するだろう。いちばんの問題は、はたして『Windows 8』と『Ultrabook』は、デバイスの初期購入者たちが再びPCにワクワクできるような魅力的な選択肢になれるかという点だ」と語った。
ここ数四半期、PC市場は逆境にさらされてきた。2011年秋にIHS iSuppliがリリースしたレポートによれば、第3四半期のPC市場成長率は5.5%だったという。
世界的な不況がPC市場に打撃を与えているのは確かだが、業界アナリストらは、急成長を遂げるタブレット市場、とりわけAppleの「iPad」を槍玉に上げている。
タブレットには、多くの仕事関連タスクをこなすのに必要なソフトウェアが搭載されておらず、本体が小さいうえ昔ながらのキーボードも実装されていないため、ノートブックPCの代替にはなれない。にもかかわらず、何か買おうと思い立った人々は、ひとまず古いPCを温存し、クレジット・カードを取り出してタブレットを手に入れる算段をする――それが現状なのだ。
「電子メールなどのアプリケーションを利用したり、SNSやインターネットにアクセスしたりする場合、これまではPCを使用するのが当たり前だった。ところが今は、そうした目的のためにメディア・タブレットやスマートフォンが広く用いられるようになり、ときにはこれらのデバイスがPC以上の価値と魅力を消費者に提供している。消費者は今後ますます、やらねばならないタスクについて吟味し、そうしたタスクを最も効率よく、なおかつ楽しく便利な方法で実行できるデバイスはどれか見極めようするだろう。デバイスはユーザーのニーズを満たす必要があり、その逆ではいけない」(アトワル氏)
アトワル氏はまた、今年中に市場へ流通するIntelベースのUltrabookはPC市場に対する関心をある程度まで掘り起こすと思われるが、彼らもやはり消費者と企業の気を引くための戦いに巻き込まれるだろうと語った。
「AndroidもしくはMicrosoftのモバイル・オペレーティング・システムを実装する新たなメディア・タブレットや新型iPadのリリースを控え、PCはこれまで以上に苛烈な競争に直面する」(アトワル氏)
(Sharon Gaudin/Computerworld米国版)
(この記事はテクノロジー総合(Computerworld)から引用させて頂きました)
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